誰かのウンチで救われる!?脅威の糞便移植!!

私たち人間は自分の身体から離れたり、排出されたものは汚いものとして処分してしまいますよね。

髪の毛、切った爪、汗、痰、尿、糞便(ウンチ)などはゴミ扱いです。

ところが人間以外の動物には、ウンチを健康維持のために食するという行動があるそうなんです。

例えばユーカリの葉を食べるコアラは、ユーカリの葉に含まれる有毒なタンニンの分解酵素を生成する腸内細菌を有しているのですが、赤ちゃんコアラにはこの細菌がいないため、お母さんコアラが自分のウンチを赤ちゃんに食べさせて、腸内細菌を入れてユーカリを食べられるようにするんですよ。

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他にもマウス、ラット、ウサギ、サイ、ゾウなどもウンチを食べる習性があるそうです。

これらも腸内細菌の獲得やウサギなどは腸内細菌が生成したビタミンKの補給目的で行うのだそうです。

少し驚いてしまうのですが、このような動物の習性をまねて4世紀の古代中国で食中毒で急性の下痢をしている患者に健康な人のウンチを処方する治療法が行われた記録があるそうです。

そして現代では2013年1月に「クロストリジウム・ディフィシル感染症」という抗生物質の効かない腸炎を、糞便移植で改善させたとの論文をオランダアムステルダム大学のニードロップ医師が発表しました。

この病気は通常は腸内に存在していても悪影響を及ぼさないクロストリジウム・ディフィシルという腸内細菌が、感染症治療の目的で使い過ぎた抗生物質の影響で、善玉悪玉を合わせた腸内細菌が減少した時に活性化して毒素を出し下痢を引き起こすものです。

この病気が改善したのは、抗生物質によって閑散としてしまった腸内細菌のいない環境に、健康な人の糞便に存在している正常な腸内細菌を外部から注入して正常な腸内細菌環境に戻した結果です。

日本ではこの論文の記載に基づいて慶応義塾大学医学部消化器内科教授の金井高典先生が、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管型ベーチェット病という腸内細菌の異常を原因とする病気に、糞便移植の手法が活用できないか研究を進め、2014年3月に臨床試験を行いました。

糞便移植の方法は、患者とドナーに内容を説明し同意の上でドナーが肝炎かかっていないか、寄生虫はいないか、健康であるかを徹底的に検査した上で検査に合格したドナーの便100グラムを生理食塩水を混合し、濾過した液体を注射器に入れて内視鏡で患者の大腸に移植するのだそうです。

ところが健康なドナーの糞便ならば誰でもいいということではなく、男性と女性では腸内細菌の種類が違ったり、元々の患者の腸内細菌と異なる場合には移植しても排除されるという「コロナイゼーション・レジスタンス」が生じるそうです。

コロナイゼーション・レジスタンスを克服する手法が、この治療法のポイントになるということなんだとか。

移植後の患者さんの腸内細菌の種類や増え方を確認したり、患者さんの症状の改善状態を確認してデータの蓄積を行っているのが現状で、現時点では主としてこの手法の安全性評価を臨床試験で行っているそうです。

ただ人間の便1グラム中には乳酸菌飲料1本に含まれている細菌の数百倍から数千倍もの腸内細菌が含まれているんだとか。

ということで、ひょっとすると将来的には糞便中の有効な腸内細菌を採取し培養したた有用菌を培養して製造された健康飲料や医薬品が開発されるかもしれないらしいですよ。

今後の研究の動向が興味深いですよね。

でもできれば自分の腸内細菌をそのまま維持していたいというのが本音かもしれませんね!!