ネイチャーアクアリウムには大自然が凝縮!水は空気となり幽玄の世界!!

mizukusa.jpg日本の庭園技術の一つに枯山水があります。

水の無い庭なのに石や砂などで山水の風景を表現します。

水面は白砂や小石で表し、そこに紋様を描いて水の流れを造ったり、橋を造ってその下を水と見立てたりします。

枯山水を静かに眺めていると、水は無いのですが幽玄の世界がそこに見えてきます。

本来は日本庭園は水のある場所に造るものなのですが、枯山水によって水がなくても造園することができるようになりました。

結果、室町時代以降に禅宗の寺院での庭園として造られるようになり、やがて独立した庭園としても造られるようになりました。

有るもので無いものを表現するという発想は面白いですね。

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このような発想と似たものとして、有るもので違うものを表現するというものがあります。

それは・・・


『アクアリウム』なんですよ。


「え、アクアリウムって金魚や熱帯魚の水槽のことじゃないの・・・」なんて思いませんでしたか?

いえいえ、今のアクアリウムはすごいことになっているんですよ。

ちなみにアクアリウムとは、水族館のような大型の設備から一般家庭用までの水中で生息する生き物を飼育する観賞用の水槽のことです。

この定義からすると底に砂利を敷いて岩や流木や水草を植え、金魚や熱帯魚が泳いでいるものというイメージは間違っていないのですが、その岩や流木や水草をコーディネートした水槽内のロケーションがかつての水槽とは全く様変わりしているんです。

それは・・・

『ネイチャーアクアリウム』といいます。

自然の生態系を水槽の中で再現したもので、その最先端ではもはや水槽内の水は水として意識されず同じく透明な空気のようになり、水草や流木は自然の木や葉のごとくになっています。

静かに見ているとまるで北欧の森の中、アマゾンのジャングルの中、砂漠のオアシス、森を抜けて木々の間から見える里山、天空の城ラピュタのようにツタが生い茂った岩が空中に浮かんだ姿など、自然の風景から幽玄の世界までを表現した『アクアスケープ』と呼ばれています。

これらはネイチャーアクアリウム世界最大のコンテストである「世界水草レイアウトコンテスト」の作品として写真撮影されています。

水草の種類や植える場所と面積、流木の太さや長さ、全体の配置や構図、水草の生長のコントロールやトリミングなどの芸術的、技術的テクニックによってネイチャーアクアリウムの出来映えが大きく変化します。

ネイチャーアクアリウムの中には、斜め下方から見上げた際に水面に反射した水草の反射像が、覆いかぶさるように茂る木々の葉のように見える効果を利用したり、ライティングによって水面が空のように見えるものまでが存在します。

さらにここに小さな熱帯魚が泳ぐことによって、熱帯魚はもはや空中を飛ぶ異形の鳥のようにも見え、本当に幻想的で心が癒されるものです。

前述の「世界水草レイアウトコンテスト」では、2001年の第一回から第三回まで日本人がグランプリを連続受賞しています。

そして今年2015年は12年ぶりに深田祟敬さんがグランプリを受賞されたそうです。

大自然を小さな世界に縮小して収める技術は日本人の得意分野なのかもしれませんね。

そして枯山水のように有るもので無いものを表現する日本古来の発想が、水が存在する水槽で空気という異なるものを表現するネイチャーアクアリウムに活かされているように思います。

一般家庭ではなかなか難しいかもしれませんが、最近は様々なツールや解説書もあるようですので、お部屋に癒しの空間を造りたいとお考えの方はぜひ挑戦なさってみてはいかがでしょうか?